ジェノサイド

このごろいやに強くなった紫外線のせいか、一日中パソコンの前でタイプしているせいか、ただの体調不良にすぎなにのかは不明だが目の調子がよろしくない。とくると、頭も上手く回らない。とほほ。
といいつつ高野和明「ジェノサイド」を3分の1ばかり読んでみる。なあるほど、巷の評価「絶賛」なわけがわかった。こりゃ面白いわ。読み続けながらこのテイストどこか、何時の時代だかにであったようなという既視感。十代の頃小松左京とか日本SF界の最盛期に書かれていたような感じがふと思い当たる。といってもあのころ大して小松左京とか筒井康隆とか平井和正(これは伝奇系ですか)、半村良星新一とか数は読んでいないのだが。だってこずかい乏しい学生さんでしかも図書館には小松は別格として学校図書館にはあまり並ぶタイプの領域ではなかったしね。

閑話休題。「幽霊人命救助隊」を読んでたしかに話運びは達者な人だとは思った。さすがにシナリオライター出身でちょいと軽げな感じがしていたが、ここまで緻密に書き込んで「化けた」かも。う〜んこれからの展開が楽しみ。問題はSF系の物語運びをどこまで器用に書けるかというところだろうか。お手並み拝見。本当に変な感じ。「なつかしいテイスト」にこんな時に出会うとは。

「狼たちの報酬」
ボロカスに言ってしまった手前「じゃあどうすりゃよかったのか」くらいは提案してみないと単に「文句たれ」になってしまうので、すこしあれから考えた事を述べてみる。
結局の所例えて言えば「ものすごく美味しいネタがあるのに、そこは粗雑に使ってわざわざ別の方向に筋をもっていってしまった」のが敗因かと。デッド・ゾーンならそれを貫徹して、そこから主人公の話を展開すればいいのである。それをわざわざ「監督のごたく」というか説教をつけて見せようとするから展開ブツ切れになる。最後の場面でかろうじて話は繋がるけれどデッド・ゾーンくんの意図が見えて来ないから「え?それで何がいいたいの」になる。監督さん自分の意図を通したいならば超能力人間使わない展開の筋書かなけりゃ。主題が全然ちがう二つでは観客意味判らないし、解説つけないと判らない映画って意味あるのか?映像で勝負してよね。変なごたくつけて話はじめないで。

と、結局又ボロカスか(笑)でも俳優陣、ベテランだけあって個々の演技には文句付けようがない。ちゃんと登場人物の苦悩が深く顕わされている。勿体ないねえ。どういう場面構成で並べたらよくなるのかなあ。