煙草屋の密室
「幼き子らよ、我がもとへ」上 ピーター・トレメイン 創元推理文庫 ISBN:9784488218096 C0197
「幼き子らよ、我がもとへ」下 ピーター・トレメイン 創元推理文庫 ISBN:9784488218102 C0197
「煙草屋の密室」 ピーター・ラヴゼイ 早川書房 ISBN:4150747067 C0197
「つなわたり」 ピーター・ラヴゼイ 早川書房 ISBN:4150747075 C0197
「ハマースミスのうじ虫」 ウイリアム・モール 創元推理文庫 ISBN:4488161022 C0197
そろそろフェデルマシリーズの未読ものがなくなったような。もともと原作者は歴史家とあって、このフェデルマの世界の構築はゆるぎなし。ミステリーとしても上質なものではありますが、ローマンキリスト教がいかに他国へ「社会機構」として浸透して行ったか、という過程を考察するに役立ちそうなシリーズでもあります。異文化を宗教という手段を使って「征服」してゆく過程、されてゆく側からの見方がよく分かるのではないかと。しかし、現代的な科学捜査をほとんど使うこと無く犯罪を暴いて行くこの手腕、凄いものがあります。どんな頭の中しとるんや、この作家。
「ピーター・ラヴゼイ」
ラヴゼイの話をブログにてみたので、今回お試しであります。名前も知っているし、背表紙の方は毎回ながめてはいたものの逡巡していたタイプの作家。「煙草屋の密室」は短編集。「つなわたり」はシリーズものではなく単品。いやあ、達者な作家さんというのは十分わかりました。シリーズであるらしい警部ものは、さてどうだろう。好みかどうかは別にして、読んでハズレはなさそうな。エンタメ予備軍、ストックとして頭の中にしまっておきませう。ハズレものを読んだ時の口直しっていうことで。
「ハマースミスのうじ虫」
翻訳ミステリシンジケートのブログにて「名作」とかかれていたかと。好みかどうかは別にして、たしかにこれは「異色作」です。後書きに書かれていた作家の経歴読んで納得。
結局拾い読みだったのですが、解説もセットで読むと非常に面白いかも。読後いろいろ考えさせられるものがありましょう。「文は人也」とはよく言ったもの。G・グリーンとかたしかあの人ももと諜報部員だったという話だったっけ。その本を読んでみるべきだったかは、と今更のように思う。どこにあったっけかなあ。