死と拙文
「ベローナ・クラブの不愉快な事件」 ドロシー・L・セイヤーズ 創元推理文庫 ISBN:4488183050 C0197
「ルパン、最後の恋」 モーリス・ルブラン 早川書房 ISBN:9784150018634 C0297
「バレエ誕生」 鈴木晶 新書館 ISBN:4403230946 C0073
「毛糸よさらば」 ジル・チャーチル 創元推理文庫 ISBN:4488275028 C0197
「死の拙文」 ジル・チャーチル 創元推理文庫 ISBN:4488275036 C0197
「殺人者の顔」 ヘニング・マイケル 創元推理文庫 ISBN:4488209025 C0197
「ファイアーウオール」上 ヘニング・マイケル 創元推理文庫 ISBN:9784488209148 C0197
「ファイアウォール」下 ヘニング・マイケル 創元推理文庫 ISBN:9784488209155 C0197
最近、翻訳ミステリー大賞シンジケートのブログを見ていてそっちの方面から照会された本を選んでいる。ドロシー・セイヤーズしかり、ジル・チャーチルしかり。アガサ・クリステイーは若い時にほとんど網羅しちゃったのでどれを読んでも再読になるが。若い頃に読んだ本といえばルパンとホームズはそのうちにはいる。
今回最後のルパンということでわくわくして読み始めたのだが、「え?こんな感じのものだったっけ」と驚いてしまった。
すっかり話運びの癖というか方法を忘れてしまっているのである。覚えてるうちに読めたら嬉しかった作品かもしれない。
そういえば、ルパンの話運びって語り手はルパンではなくその都度違っていたのだっけ?いったいあの頃私は何にひかれて読んでいたのだろうとそっちの方が謎に思えて来たのだった。きっと迷宮入りになるのだろう。ちなみに一番好きだったのは奇岩城、だったはず。あれってルパンがでてくるのは最後だけだったような…
「バレエ誕生」
これは翻訳ではなく鈴木晶の著作。今まで仕入れたことのない知識分野だったので非常に面白かった。もともとはレビュウーみたいな形態、オペラのなかの一部として成り立っていたらしい。しかも援助交際のための顔見世としての舞台。なあるほど。デイアギレフの興行師的な面のイメージを理解するために役立つ。翻訳もそうだったが、この方の文章のリズムがこちらにあっているらしく読み易い。
「毛糸よさらば」「死の拙文」
病み付きになりそう。困ったものである。上手いよなあとしみじみ。
「殺人者の顔」「ファイアーウオール」
シリーズ第一作の次に最新作(第7作?)にとんで読んでみた。罰があたった。主人公が過去を回想してそれまでの事件を思い出しちゃうのである。ゆえに犯人だれかわかっちゃう。ネタバレどころじゃない。まんま、である。よって、しばらく内容を忘れるまでこのシリーズ読まないかも。こういうことはやめましょうね。自分みたいにひねくれた奴はそういないだろうけどさ。