悪酔い

そういえばこの夜は茅田砂胡を読みながらTVでフェリーニ?の「世にも奇妙な物語」をみて、ついでにやめておけばよかったのに数年振りに缶酎ハイ開けて頭の中がグラグラ。
三口以上飲んだら夜中に急性アルコール中毒状態で目が覚める、という論理的帰結を思い出したのが総てを飲み干した瞬間というところがこの夜の阿鼻叫喚の頭の中を示しておった。おかげで人心地つくまでお茶を飲むわ水を飲むわトイレ往復で朝まで悪夢。数年に一度くらいこんな事をするところがアホやなあ。まったく酒に弱くなったものである。

で、見だしたのがジェーン・フォンダの話の終わりかけのところで、アラン・ドロンには間に合った。なんと美しい事よと見とれつつ、これドリアン・グレイの肖像の話じゃなかったのかと再確認。で最も恐ろしく覚えていたテレンス・スタンプのまさにアル中の幻覚の話、出て来る「悪魔」がどうもこれも覚えているのとは違う。改めて考えるに映画「ねじの回転」とごっちゃになっていたかと。
いずれにせよ、この映画にてベラスケスのカテリーナ王女?の肖像画見るのが怖くてならなくなったという記念の映画。あのころうちのテレビは白黒だったのだけれど。えらい迫力だった。もちろんドロンも美しかったけど。
考えてみれば、頭それでなくてもグルグルの夜に見るべき映画ではなかったかも。まこれも出会いではある。

生の芝居もいいけど、DVDと違って有象無象の考えが圧縮されて頭の中を駆け巡るものらしいと知る。普段こういう風に頭の回路を使わないのでほとんどオーバーヒート寸前になったのかも。惚けかけた頭には毒かも、なんぞとしみじみ。役者に腹立ててどないするんやねん。気いつかってどうするんやねん。楽しめんやないか。
と、なんだか悪酔いした夜なのであった。
しかしカッコよかったなあ。役者は三日やったらやめられないって?良い芝居を見たら一度でとりこになっちまうよなあ。