鳥取にて

連休どこゆく?とあたふたしているあいだに日々は過ぎてゆき、考えるだけで終わってしまった。要するにおアシがいろいろありまして予算がつかずというていたらく。それもこれもMacBookのバックライトが昇天し、頭に血が上って新しいのを手に入れたという自業自得ではありますが。

巷には金木犀の香りが充ち満ち、この時期頭の中が非常につらい。ようやくお出かけする勇気?ができまして鳥取県立博物館で開催されていた企画展を見て参りました。国外に流出したもののコレクションですのでもう二度と見る機会はないと思われ。しかし、名前を聞いただけでも信じられないようなラインナップです。狩野派尾形乾山伊藤若冲北斎、ほかほか。名前だけかと思ったら、逸品揃いでした。北斎の肉筆画なんて普通出会えないし。鳥肌たつよな作品あり。これ文化財レベルでしょうに。

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明治維新とか太平洋戦争終戦騒ぎのドタバタのなかで、士分とか名家のオクラから相当量の骨董品が国外流出したという話を思い出します。哀しく思い出しながら、それはそれでまあ仕方のないことかとも。どこが震源になっても大震災が起こってしまえば全国にある原発は崩壊して日本全土に放射能が溢れれば、日本国内の美術品関係は全滅でしょう。除染は今の技術では不可能だし国外に持ち出すこともできなくなる。文化遺産はどうしても後回しになる。よその国にあればその分は救われるかも。

それにしてもどんだけ稼いだんだと度肝を抜かれました。いくら40年かけたとはいえ個人の夫婦のコレクションですから。桁違いなんですね。と同時に、やっぱり見る目のある人ではある。これで美術館がひとつできます。

写真は博物館となりの、というか博物館がその敷地内にあるのですが「久松山公園」(きゅうしょうざん)の鳥取城跡と、今回乗った境港線路を走っている「猫娘列車」です。