書店はタイムマシーン

捜査官ガラーノ (講談社文庫)  書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記


「捜査官ガラーノ」    パトリシア・コーンウエル   講談社文庫   ISBN:9784062758130 C0197

「書店はタイムマシーン」桜庭一樹読書日記   東京創元社  ISBN:9784488024352 C0093



最近はコーンウエルを読んでいなかったのでちょっと気まぐれに。ええと、はっきりいって「コーンウエルの」という接頭語を外して読んだ方がいいようです。始めにガラーノの外見とか年頃の記述を見落としたのか、会話の「ぼく」という言い方に妙に抵抗感があって物語に入りにくかった。

設定が若い捜査官ということでせいぜい歳を多く見ても20代後半ということらしく。それなら了解もするのですが、なんだか「顔」が見えなくて。この作品は雑誌に「連載12回?」されたものだそうで、だからこの作家にしては極端に薄い一冊となったらしい。その分、キャラクターの書き込みが足りなかったのかもしれないと言う気がしました。
それなりの展開でそれなりの作品なのですが。う〜ん、これがシリーズ化されるかどうかはよくわからない。最近老化して来たせいか惚れたはれたタイプの作品に食指が動かなくなったもので。シリーズになっても読むかどうかは不明。
死体農場あたりからずっと読んでいたのですけれど、業火、黒蠅あたりからついてゆけなくなったなあ。

桜庭一樹さんは、ちょうど直木賞とって「私の男」を出版してと云う頃の日記。
読めば読む程おかしな人かなあと。まあ他人の事は言えないのですが。都会に住んでいると大型書店を巡回できるのがいいですねえ。
とはいえ、いちいち「購入」していたらどれほど金をつぎ込むことになるかと空恐ろしい。我が身をみるような思いで読んでいたりして。しかし「ジーヴス」を大人買いって、それ一財産でしょうが。ゆめのような、否ある意味「悪夢」のような「本読み」の日常。かといって、「作家」になれるわけでもない我が身を顧みます。