武徳会の剣道試合の5

5日、午前八時から開会式とともに試合がはじまります。
第四回武徳会青年演武会というのが正式名称のようですね。総裁は多分宮様のひとり。
これからずっと池波正太郎ばりの解説がつづきます。おたのしみに

5日  平安新宮の頂に輝きし旭に朝漸く明けそめたり、今日なりや、今日なりや、一大責任を払ふのけふは来れり!名誉の錦か敗亡の末路か、勇士の面々多少の感慨!来れ!見!其勇壮の状、活歩の体!
今日こそとたれしも心に期する、日本六拾余州の若武者共、勢こんでつめかけたり、
ずらりと並ぶ無量六百名午前8時といふ相図と共に、厳かなる儀式と共に、第四回武徳会青年演武会は初まれり、総裁殿下の令旨の奉読と共に吾々は其意を対して、勝負を決せむとす、東西の両面にて各試合は初まれり、勝つものの負るもの喜怒交々にして、げに壮大極りなし。


殊に本部講習員の八年乃至十二三年に於ける少年が妙技に達せるは、実に驚く計りにて、其の教訓の度、蓋し押計らるべき也、称嘆しつつ眺め入る、
折りから東の方に出で立つ一対の少年、一方に島根県山の内、滋賀県との組合せなり、内藤先生審判官なり、両少年竹刀を取て、立ち上る音に聞く、滋賀は古来武の本地、嗚呼我先陣の若武者難いかな!

待てとも云はず狂の胡蝶、片々として、行違ひ、上下に乱るる血戦激合、一陣の太刀風、何れの桜か散る?今は極度の花火ちる、下より一声朗らかに、お小手!満場水より静かなる時凛として四方に響けば、島中健児の腕前見えて、一同あッと感に入る、さらばいざ物々しの敵の腕前やと、切先き猛く踊り入ると、はツと沈みし間一髪、やッとも云はず御銅一本ばらりッと無残や敵は真二ツ!!山内氏先ず勝てり。