宍道湖連合漕艇会の2

短というのはいわゆる「カッター」というのでしょう。現在でも毎年「市民レガッタ」が大橋川で開催されています。
この時代は宍道湖の真ん中が舞台なのでしょうか。
両岸が平行になっているコースを漕ぐならば多分方向を定めるのが比較的容易かと思われますが、宍道湖の真ん中となると方向を定めるのは慣れていても難しいのでしょう。
舵取りを間違って変な所に突っ走る艇が続出しています。距離を1500メートルとらねばならないとなると仕方ありませんが。「そば屋に行くのか」は、松江ならではの冗談ですね。笑ってしまいます。

第四回
赤、南航路、修道、?(虫篇に乱の右側)
青、北航路、中学、隼
スタートにて赤先んじたるも長緩の調は少し過きざるかの感あり互に優劣を予想し難かりしが決勝迄に近くしては両艇共に最急調に変じ激戦なりしが愈々近づきて青の姿勢崩れ調五六本乱れし為遂に二艇身の差を以て4分32秒、勝を赤に制せられぬ。

第五回  是れより千百メートル
赤、南航路、師範、パシフ井ツク
青、北航路、中学、アルタイ
スタート共に宜し300メートル迄互角の勢にして亦ピッチ共に33本、実に好一対の競争にして、是れより平素の手練を表はさんとする時青の舵手コースを誤りて南へ南へと進みたり汽船の中には「をやをや能義の蕎麦屋へ行くのか知らん、レースが済むてかく行けば善いのに」と冷かす諧謔家もあり、されど漕手は懸命なり舵手百メートルも過きて気が附き急に船首を北へ向け「く」の字形を書きて戦闘線内に入りしが到底もり返すを得ず二艇身の差を以て青の勝6分10秒

第六回
赤、南航路、中学、アルタイ
青、北航路、師範、パシフ井ック
スタートは互角に出ピッチ良好なりしが赤400米突にして調に小乱ありき然れど600米突より青の二、四、五番整調等は疲労を来して或は早く或は遅くして艇進まず漸次赤に抜かれ遂に6分9秒にて赤の大勝となりしが赤に規則違反ありきとて遂に無効となりぬ。

第七回
赤、北航路、師範
青、南航路、中学
スタート共に宜し青ピッチ31本赤34本を漕き300メートル迄並行し青調子を上げて少し抜かんとすれば赤も之に応じ亦並行して00メートルに至る此処に於て青ピッチ32本より36本に調子を上げ騎虎の勢を以て抜かんとするに赤も亦調子を37本となし龍飛の速力を以て之れに応じ、あは今少しと云ふ時亦弱りて調整はず青の常に悠々たる此処に功を奏し敵の虚に乗じ猛烈のハードを以て決勝点に入る、四艇身の差を以て青の勝、五分55秒。