7号の雑報の2

去る者あれば来るものあり。
手のひらを返すように歓迎の美辞麗句。
しかし、札幌から米国、郵船会社から三重県中学校教諭という経歴はいったい…

1.2 新来の先生を迎ふ
日進月歩、我国の中等教育は、益々旺盛の域に趣くと共に、中学教員の欠乏を告ぐること、実に少しとせず。曩に、吾等は児玉教頭、横山、中村、清水、鹿野、並河の諸先生を送りて、実に、失玉の歎ありしが、
今や新に、平野、西村(元主)江田、五十嵐、溝部、上田、西村(昂三)の各先生を迎へて、更にまた、拾実の歓あり。
聞くならく、平野教諭は、曾て札幌農学校を卒業せられ、続て北米合衆国の趣き、帰朝後郵船会社に入り、転じて三重県
立第一中学校に教諭たること数年その独特の英語は、該博にして軽妙、恰も珠玉の盤上を転々するが如く、教ふる
こと丁寧親切、夙に令聞あり。我校に来りて英語科を受持たる。