7号 波間の千鳥の4

さて翌日、此の日は汽船も雇わず続きを再開します。
クラブの名前がCNなのかESなのかよく判読出来ず不明なのですが、ご了承ください。寄宿舎生代表のチームも出場、高学年のチームがそろそろお出ましです。

6月4日
床を蹴って着物を着かへ帯を半ば引きつつ空を眺むれは嬉しや一点の雲もなく誂らへ向きの好天気今日はまさか風も吹かさらむと恰々として舟を艤し嫁ケ島に渡れは昨日の如く湖面静かに漣もたたざれと午後は如何にやと心配しつつ不図空を見れば昨日理屈をつけて好前兆を視なし松が揺れるのゑー縁気でもねー払ひ給へ清め給へと独言して用意をなせば舟も漸く集り来りて9時前、前日の続第8回を挙行しぬ此日は汽船を雇はず


第8回 白寄宿舎選手
白5年
スタート両者好成蹟にて突進せしが稱もされは赤白を抜きて寄軍危く舎生は声を枯らしてホワイト、白と呼びて勢いを付けしが赤は愈々白を抜きて大勢既に定まれりと何人も思惟せし所豈に図らむや決勝点にて寄軍の目覚ましき猛烈のヘビー功を奏して赤をズーズーと見るも心地よき程抜き遂に半艇の差を以て白の勝4分20秒


第9回 赤 NS クラブ
白 3年
スタートに於て赤の成蹟宜しく白を抜き半途にして白乱調となり赤一艇身を抜きしが決勝点に於て白の調子整ひ優勢のヘビーを以て赤を抜き一艇身の差を以て白の勝は連勝の寄軍の怨!4分48秒


第10回 赤5年
白 4年
赤スタートを出でてより500メートルにして白を抜き白亦もりかへして赤を抜き互角の勢にて勝敗何れとも定まらざりしが赤白の弱はりしに乗じ一艇身を抜き白危く見えし所猛勢のヘビーを以て赤を抜かむとせしか事既に及はず一艇身の差を以て勝は赤に帰せり4分39秒


第11回 赤4年
白3年
赤のスタート宜しくして形勢よかりしか半途にて白回復して互角の勢となり同時にハードをかけしに赤一艇身を抜かれ略800メートルの所にて白愈々赤を抜きて三艇身先立ち赤の形勢危く見えしかば赤全速力を以て白を抜かんとせしも大勢既に定まりて遂に二艇身の差を以て白の勝利4分31秒