7号 撃剣大会の5

じつは此処にしてようやく「有志、監獄、警察」の符牒の意味がわかるのですが、どうも「連合」というのはそういう意味なのですね。加えて昨年、一昨年のとあるところをみれば少なくとも連続して開催しているものらしい。
書き起こしで辛いのは、意味も分からず羅列せねばならない場合。剣道、柔道、野球などスポーツに興味のない輩には短くても苦痛なのであります。とまあ愚痴をひとつ。ついでに「持」とあるのは引分の意味らしい。

右の外来賓好み仕合あり

43  勝 ○○  足達 周太郎 警   44 持 野村 静
        竹縄 宗市  警      山内 不知名

45      松本 勝太郎 警    46   原 友次郎 監
   勝 ○○   渡部 智勝         ○○ 吉儀 敏造

(有は有志者、監は監獄、警は警察)

(22)より以下は本校選手が対外仕合にしての決戦、いで我が筆以て短評せむ
(21)共に可愛の幼年しかも其技に於ては侮り難く、殊に横の手際前年に一層の鋭を加へ観衆の驚威一方ならず(22)より(27)迄は双方に初陣の若武者彼れは昨年一昨年の連敗今年こそは其恥を雪きくれんと勇める勇者、果して如何なる技か?、(22)我先鋒は誰か大兵の若林氏さしも平素の鍛錬功を奏して怒れる敵をば真向二つとは心地よし、(23)誇れる若林氏にかはりて場の一隅にあらはれしは蘆田氏、沈める山口氏の恥をそそがんと勇める柳多氏、竹刀と取りて立ち上るや切先誤らず二本の勝、(24)森山氏体?稱小に力弱なりといへども其内に凛然犯すべからざるの気あり且其技敢ておとらず、果せるかな見事江隅氏を其馬前に伏せしめぬ、

(25)無惨!連敗の彼れは時を得しか連敗の我は鬼に捕はれしか?片山氏討死!然れども氏の技未だ平素鍛錬の足らざるありて然りしと見るは我僻目か氏一層の奮励を要す(26)後藤氏は我校内一方に勇を張るもの何ぞ無為敵に首を降すべき、果然誇れる齋田氏の隙に乗じて一刀又一刀嗚呼幸運再来、(27)日野氏技に於て未だ足らざる所ありしかも第一の勝を得て容易く敵に敗られしは何ぞ、氏一段の奮発を要す、(28)松本氏昨年山岡氏に敗られし遺恨今日ははらさんと竹刀取るや、堯勇の聞えある福間氏を見かけ搏撃数度しかも一も占むる所なく福間氏に乗ぜられて見事我の勝、(29)後藤氏警察の一方に勇を振ふものカタヤ若林氏前に勝を得て心傲然として刀をとり直してかけ声高く独特の早業勝を制して見事敵をして立つ能はざらしむ、