7号 柔道試合の1
撃剣柔道仕合として行われた、柔道部の方の記録です。二日間にわたって催されたもので、第一日目は紅白の軍にわかれて対戦したものらしい。これは校内の部員?参加のようです。七級以下と書いてあります。
二日目は上級者および対外試合のようです。で、こちらがメインで記述されています。最後の試合などは書き起こしながら楽しめました。やはり漢文調で大げさに書かれると昂揚してくるところが我ながら可笑しい。ではどうぞお楽しみを…
ちなみに×というのは引分を示しています。
5.4 寒稽古終結柔道仕合
一痕の冴月枯林に嘯く、寒風の苦節茲に三旬今や髀肥え肉鳴るの折から腕を撫して吾と思はむ面々は名乗り給へ一勝負な仕らむと、撃剣柔道の連合大会は将に之れ春風駘蕩たらんとするの時我が講堂に催されぬ今柔道の略況を記せんに2月21日午後 紅白勝負
紅軍の将 村上 章
白軍の将 並河 隆
以下各44名共に七級以下の若殿原美事闘ふ有様は或は胡蝶の飛ぶが如く或は龍虎の争ふか如く千変万化一に名状すべからざりしか月桂冠は紅軍の得る所となりて終りぬ。
22日 午前 一本勝負
1 × 清水 重次郎 2 佐々木 重蔵
× 若林 庸親 ○ 佐藤 甫
3 × 永見 源造 4 × 桑山 勝一郎
× 新宮 實三郎 × 野津 高次郎(1)共に鬼をも欺く大男子両々相挑みしが何れも下らず遂に引分け(2)(1)に引換えへ最可憐なる少年楓の如き手を揚けて一上一舌蝶舞燕飛の軽妙は稀に見る所抜利きの佐々木も佐藤の参する所となり腰投一本終に倒れぬ。(3)何れも小兵の若武者互に秘術を尽しに尽して戦ひしか亦もや引分け、(4)桑氏元来横捨身の名人今こそは目に物みせめと躍り出でしも野氏もさるもの之亦持。