琵琶湖遠征紀行の1


4.1 琵琶湖遠征紀行   破月
(8号附録 1頁〜12頁)
面吹き払ふ朝風も何となく心地よき、7月28日の早朝我学友会端艇部選手14名は威風凛々クラッチの音勇ましく馴れし艇庫を後にして、琵琶湖遠征の途に上りぬ。
回顧すれば、昨夏我部選手が琵琶湖上一嵐の落花と失せてし以来日に月に碧雲湖上、風に打たれ波と闘ひ、千辛萬苦を嘗め尽し、今夏必ず優勝旗を得て取らむと願ふ事幾十旬、今漸く日数満ちて茲に至る豈今夏の必勝を期せずして止まんや。
我等は見送らるる校長、職員、有志の人に一礼しつつ生徒諸子の万歳声裡に、徐々と松江を出でぬ。
偖も14名の選手とは誰々ぞ。これ我校より選りに選りし大兵の大丈夫。重大なる責任を担へる快男子なり。今左に選手の
姓名を挙げむ。

第一選手
  舵手金澤 邦造     整調伊藤 重義
  五番新田 益之助     四番安松 長一
  三番仙田 忠四郎     二番清水 重次郎
  艇軸板持 慶三郎    
第二選手    
  舵手野坂 誠三     整調佐藤 正雄
  五番石原 正治     四番井上 傅助
  三番石橋 正彦     二番和田守 猶吉
  艇軸角 正義